今年に入り毎月の海外出張で、少々くたびれはてていて、GWはどこか温泉でも行って、まったりと美味しい日本料理でも食べて過そうと考えていたのですが、GW中の人民大移動による渋滞と、行く先々でのせわしなさを考えて、JR東海さんのコマーシャル如く、そうだ、京都、行こう(東京に転勤となり、初めてこのコマーシャルを見た時には、こりゃみんな京都に行きたくなるわなと思ったもんです)と思い立ち、京都にしました。
京都は、家内方のお墓があり、ちょくちょく行くのですが、基本的にはお墓参りで、日帰りで、名神が混む前に京都を出るのが常だったのですが、6年前に、大げさに言えば人生の価値観が変わった、すばらしい旅館に出会ってからは、年に1,2回京都に泊まり英気を養わせてもらいます。
今回もその旅館に泊まれるなら京都に行こう、でもGW直前で部屋が空いているはずはないわなとほぼ諦めて電話を入れたのですが、急なキャンセルが出たとかで、なんと次に泊まりたいと考えていた部屋に泊まる事が出来ました。
その旅館は、僕にとっては泊まれれば大幸運、勉強になり過ぎると思わせて頂ける程の所なのです。そう思わせてくれる旅館はここ一ヶ所です。
その旅館との出会いは、お墓参りの帰りにいつも前を通り、毎回、こんな所には一生掛かっても泊まれないんやろうな と思わせる所で、でも一度は泊まりたいものだともちろん思っていて何年も過ぎた7年前の年末の京都からの帰り道の車の中で、一回どんなものかと電話をしてみようと、104で電話番号を調べて、色々聞いてみれば、一番安い部屋は頑張れば泊まれない程の金額でもなく、一見さんでもお泊りいただけますよと言うではありませんか。その場で予約をお願いし、それ以来お世話になってます。
初めて泊まりに行く前には、ドキドキもんで、下足番の人に馬鹿にされないように皮靴を新調せなあかんねんやろな、どんな服を着ていったらええんやろかなど等、かなりの緊張で倒れそうでした。
当日、打ち水された見事な玄関をくぐり、この中はまるで別世界やなと思いながら、部屋に通されてから翌朝チェックアウトし、玄関先までお見送りを受けるまでに受けた、まったくの高飛車さのない、緊張しきりで初めて泊まる我々への思いやり、暖かいがしっかりしたプロのサービス、旨すぎる夕食と朝食、建物、部屋の内装と調度品のすばらしさ、食事時に出てくる見事で価値があるであろう食器類等々、ほんとうにすばらしい所でした。
あんなに緊張していたにもかかわらず、ほんとうにリラックスが出来、帰り際には、また来るわと言える程にまで(けっして言えませんが)させてもらえるような旅館です。
毎回お世話になり考えさせられるのが、”対価”についてです。
けっして安い宿泊料金ではないのですが、支払い時に一度も高いと感じた事がないのです。
バナナは5本で128円、牛乳とヨーグルトは168円以上は出したくないと思い、回りから、せこいなと笑われる価値基準の僕ですが、ええカッコうでもなんでもなく、高いとは感じないのです。
毎度の文句のない満足感、毎回チェックアウト時には、明日からまた頑張って、また泊まりに来たいと思わせてくれる”何か”があるのがこの旅館です。
毎回100%以上の満足感を与えてくれるこの旅館の裏には、僕たちが想像もつかないであろう努力があるはずです、それも長い長い間。
ここは高いだろうな、我々の身分では駄目だろうなと思うような所があり、でも一度は行きたいなと思う所があれば、一度試しに電話を入れてみて下さい。新しい価値基準が生まれるかと思います。

